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中国最高裁判所知的財産権法廷の年次報告書(2023)

時間:2024-04-03

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中国最高裁判所の知的財産権法廷が2月23日、2023年の年次報告書を発表し、関連データを公表した。

同法廷が受理した技術系の知的財産権と独占禁止案件は7776件(うち新規受理5062件、持越し2714件)、「結審」件数は4562件、未済件数は3214件で、「結審」率は90.1%であった。2022年に比べて案件受理数は25.8%増で、うち新規受理数が14.9%増、「結審」数が31.5%増であった。裁判官一人当たりの案件受理数(新規と持越しを含む)は140.4件、「結審」数は82.3件で同期比2.4件増加した。

新規に受理した民事二審実体案件は3222件であった。内訳は特許権侵害紛争が687件、実用新案権侵害紛争が1125件、専利出願権及び専利権帰属の紛争が285件、植物新品種権紛争が168件、集積回路配置図設計紛争が2件、技術秘密紛争が113件、コンピュータソフトウェア紛争が704件、技術系の知的財産権契約紛争が14件、独占紛争が25件、その他の紛争が99件であった。

新規に受理した行政二審実体案件は1277件であった。内訳は特許出願の拒絶査定不服審判が296件、特許無効審判が365件、実用新案出願の拒絶査定不服審判が46件、実用新案登録無効審判が330件、意匠出願の拒絶査定不服審判が7件、意匠登録無効審判が139件、植物新品種紛争が3件、独占紛争が19件、行政裁決などの紛争が72件であった。また、独占紛争の管轄権異議申立案件が1件であった。

同法廷が結審した案件は4562件で、裁判で原判決を支持して終了した案件が2260件で全体の19.5%を占めた。訴えの取り下げ(上訴の取り下げと訴訟の取り下げを含む。以下同じ)で終了した案件が981件で全体の21.5%を占めた。調停(民事調停書発行、以下同じ)で終了した案件が368件で全体の8.1%を占めた。破棄差し戻しで終了した案件が10件で全体の0.2%を占めた。判決変更で終了した案件が892件で全体の19.6%を占めた。その他が51件で全体の1.1%を占めた。

新規に受理した外国・香港・マカオ・台湾に関わる案件は同期比7.2%増の490件で新規受理案件全体の9.7%を占めた。内訳は、外国に関わる案件が421件で全体の8.3%を占め、香港・マカオ・台湾に関わる案件が69件で全体の1.4%を占めた。新規に受理した民事案件は246件、行政案件は244件であった。「結審」した外国や香港・マカオ・台湾に関わる案件は同期比5.1%増の391件で「結審」案件全体の8.6%を占めた。

その他、最高裁判所は国内外の当事者を平等に扱い、法に従って渉外の知的財産権や独占案件を公正に審理した。2023年に新規に受理した外国当事者に関わる案件は421件で新規受理案件全体の8.3%を占め、「結審」した案件は334件であった。「セルラーゼ」に係る特許権侵害案件において、外国権利者の2000万元の賠償請求額を全額支持した。「運動機構」に係る特許権侵害案件において、懲罰的賠償制度を適用して外国権利者に対し1200万元超を賠償するよう命じた。これらの判決は中国裁判所が知的財産権保護を強化し、国内外の当事者を平等に保護するという明確な姿勢を伝えるものである。

(最高裁ホームページから翻訳)