判例

TYPICAL CASES

202109-23

意匠の類似性:本田技研工業株式会社v.専利復審委員会など ((2010)行提字第3号)

【Brief】

本田技研工業株式会社は01319523.9号自動車意匠権の権利人である。石家庄双環汽車有限公司、河北新凯汽車製造有限公司は、それぞれ専利復審委員会に無効審判請求を提出した。専利復審委員会は二件の無効審判請求を併せて審理し、2006年3月7日に第8105号決定を下し、本案専利は日本国意匠公報JP1004783(以下、証拠1と略す)と近似するデザインに属し、専利法第23条の規定を満たさないと認定し、本案専利が無効であると決定した。本田技研工業株式会社は決定を不服とし、裁判所に訴訟を提出した。北京第一中級裁判所、北京市高級裁判所は第8105号決定を維持した。本田技研工業株式会社は拒絶査定不服審判を申し立て、最高裁判所は審査を経て、2010年11月26日に行政判決を下し、本案専利は証拠1と近似するデザインに属さずと認定し、専利復審委員会の無効決定、一審、二審の判決を取り消した。 

【Reasoning】

係争類型自動車のデザインの「全体」は、自動車の基本的な外形輪郭及び各部分の互いの比率関係を含むだけではなく、自動車の前面、側面、後面を含むため、全面を観察すべきである。総合的に判断する際、係争類型自動車の特徴に基づき、諸部分が自動車デザインの全体視覚効果に与える影響を考慮すべきである。本案の係争類型自動車について、当該類型の自動車の外形輪郭は近似するものであり、この共通したデザイン特徴がこの類型自動車の一般消費者に与える視覚効果の影響は限られている。逆に、自動車の前面、側面、後面などのデザイン特徴の変化が、一般消費者の注意をより引き付ける。これらの相違は本案の係争類型自動車の一般消費者にとって容易に見分けられるものであり、本案専利の図面に示される自動車デザインと証拠1に示される自動車デザインとの全体の視覚効果を区別するに十分である。 

{/ftwcm:list