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北京知的財産権裁判所 近年不正競争と独占関連案件が大幅に増加

時間:2022-04-28

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ウェイボー(中国版ツイッター)バックグラウンドデータの不正取得不正競争案件、「同時録画・配信」と「クリックシェア」不正競争案件、某石油公司の支配的市場地位の濫用案件、「ライブ配信ブラウザ」不正競争案件等が北京知的財産権裁判所の係争・独占十大典型的判例に選ばれた。

北京知的財産権裁判所が3月16日に発表したこの十大判例は典型的意義を有するものと考えられている。

例えば、ウェイボーバックグラウンドデータの不正取得不正競争案件におけるデータの取得と使用問題について、裁判所はデータのタイプを分析し、ウェブ・クローラー等の自動プログラミングを介して合法的に取得できるデータと、許可を得ずに技術的手段で不正に取得・利用してはいけないデータを明確にし、デジタル経済環境下でのデータリソースの共有や合理的な利用について指導している。

裁判所は審理のうえ、「ウェイボープラットフォームのデータは公開データと非公開データに分かれ、公開データはウェブ・クローラー等の自動プログラミングを利用して取得し、二次使用できるものであり、非公開データは適法で正当な手段によってのみ取得できるものである。本件では、当事者双方に協力関係はなく、かつデータ取得の技術的な手段が合法で正当なものと証明されないことから、上訴人は技術的手段で被上訴人が設定したアクセス権限を解除又は回避してウェイボープラットフォームの非公開データを取得したと推定できる。上訴人がウェイボープラットフォームのデータを取得、保存、表示、使用した行為は、ウェイボープラットフォームの正常な運用を妨害し、被上訴人の経営コストを増加させ、被上訴人の権限付与による利益にも影響をもたらすものであり、『不正競争防止法』第12条に規定された不正競争行為に属する」とし、これに基づき、上訴人に対して、不正競争行為を停止し、影響を排除し、被上訴人に経済損失と合理的な費用計528万人民元を賠償するよう命じた。

また、某石油公司の市場支配的地位の濫用案件の裁判では、裁判所は取引拒絶や差別待遇の市場支配的地位の濫用行為の構成要件を詳細に論述したほか、契約法と独占禁止法の管轄範囲を明確にし、独占禁止法は取引当事者一方の個別の利益を保護するものではなく、競争の関係と秩序の調整に重点を置くものであると重ねて表明し、独占行為と契約行為の合理的な定義付けについて指導している。

紹介によると、北京知的財産権裁判所は2014年の設立から2021年末までに独占禁止、不正競争防止関連案件1436件を受理し、1244件の裁判を終了した。

北京知的財産権裁判所の宋魚水副院長によると、近年知財裁判所が受理した不正競争・独占関連案件は明らかに増加しており、その関連分野・業界は年々拡大し、案件のタイプも包括的になっている。2020年に受理した競争・独占関係案件は184件だったのが、2021年には66%増の360件になり、2022年の同タイプの案件の受理数は500件を上回ると予測されている。案件は製造業、サービス業等の伝統産業だけでなく、情報セキュリティ、民生の保障など重要分野にも及び、科学技術イノベーション、デジタル経済等新しい分野、業態、モデルにかかわる案件も増えている。

北京知的財産権裁判所第三審判法廷の蘭国紅裁判官によると、不正競争は本質的には信義誠実の原則と商道徳にそむく行為であり、いわゆるフリーライド、濡れ手で粟、人を傷つけて自分の利益をはかるような行為である。その例として、他人の一定の影響力のある製品名の不正使用、企業名称の混同使用、許可を得ずに他人が合法的に運営しているウェブサイトにリンクを挿入し、指定したURLへ強制誘導して、ネットワークリソースを掠め取る行為、他人の商業上の信用への誹謗又は営業秘密侵害等が挙げられる。

また、同氏は「独占は本質的には競争を制限、排除する行為である。例えば、取引制限や取引拒絶のような市場支配的地位の濫用、経営者の間で結ばれた競争排除・制限の協議や決定又は協力関係等が挙げられる。不正競争行為であれ、独占行為であれ、市場競争秩序を乱し、経営者の合法的権益を損ない、同時にまた消費者の権益や公益をも損なうものである。裁判所は不正競争防止と独占禁止関連案件の裁判によって、不正競争行為と独占行為を規制し、市場経営主体が秩序よく、十分に競争できるよう導き、それによって公平で自由な競争環境を保護する」と述べた。(中国知識財産保護サイトから翻訳)