『中華人民共和国著作権法改正案(草案)』(以下、草案という)が8月8日に全人代常務委員会会議の第二回審議に提出された。草案第二稿は複数の法的な注目問題に逐一対応し、例えば、著作物の定義と種類の完備化、権利を濫用して著作物の正常な普及に影響を与えてはならない規定とその法的責任に関する規定の削除、視聴覚著作物の著作権分類保護に関する規定の新規追加などである。
草案第二稿は著作物の定義と種類をさらに完備化し、「本法にいう著作物とは、文学、芸術及び科学などの分野において、独創性を備え、且つある形式によって表現可能な知的成果をいう」と改正している。
視聴覚著作物の保護の完備化については、第一稿を踏まえ、視聴覚著作物の著作権の帰属を細分化している。例えば、草案第二稿は「映画著作物、テレビドラマ著作物」のほか、その他の視聴覚著作物について「共同著作物又は職務著作物の著作権の帰属は、本法の関連規定に照らして確定する。共同著作物や職務著作物でない場合、著作権の帰属は製作者と著作者が定めることとする。定めがない又は定めが不明確な場合、著作権は製作者が享有する。但し、著作者は氏名表示権と報酬取得権を享有する。製作者が契約に定めた利用範囲又は業界慣行から離れて本法にいう視聴覚著作物を利用する場合、著作者の許諾を取得しなければならない」との規定を新規追加している。
そのほか、著作権の濫用について、草案第二稿は民法典や独占禁止法などの法との整合性を重要視し、草案第一稿の「権利を濫用して著作物の正常な普及に影響を与えてはならない」という表現とその関連の法的責任に関する規定を削除している。それとともに、著作権保護と公共の利益とのバランスをとるため、草案第二稿は、著作物を利用し、著作権者の許諾を必要とせず、著作権者に報酬を支払わなくてもよいとされる著作物の法定範囲を適度に拡大させている。