世界知的所有権機関(WIPO)は4月7日、スイスのジュネーヴで記者会見を開き、2019年の特許、商標、工業製品意匠の国際登録データを発表した。データによると、2019年に中国は『特許協力条約』(PCT)に基づく特許出願5.899万件を提出し、米国(5.784万件)を抜いて国際特許出願件数ランキングの首位に躍進した。
「中国出願人が急速にPCT特許出願で首位になったのは、イノベーションの中心が世界の東方へ長期的にシフトしていることを示しており、アジアからの出願が既にPCT特許出願全体の過半数を占めている」と、WIPOのフランシス・ガリ事務局長は述べている。
データによると、2019年に世界の知的財産権指数が過去最高を更新した。PCT出願数は5.2%増の26.58万件、マドリッド国際商標出願数は5.7%増の6.44万件、ハーグ協定を利用した意匠出願数は10.4%増の2.1807万件であった。PCT出願数ランキングの上位5カ国は中国(5.899万件)、米国(5.784万件)、日本(5.266万件)、ドイツ(1.9353万件)、韓国(1.9085万件)。マドリッド国際商標出願数ランキンクの上位5カ国は米国(1.0087万件)、ドイツ(7700件)、中国(6339件)、フランス(4437件)、スイス(3729件)。ハーグ協定を利用した意匠出願数ランキンクの上位5カ国はドイツ(4487件)、韓国(2736件)、スイス(2178件)、イタリア(1994件)、オランダ(1376件)となっている。
また、PCT出願の出願人別のデータでは、中国企業や大学が大いに躍進した。中国のファーウェイ社が4411件のPCT出願で首位に輝いた。次いで日本の三菱電機株式会社(2661件)、韓国のサムソン電子(2334件)、米国のクアルコム(2127件)、中国の広東OPPO(1927件)と続き、企業出願人トップ10に中国企業四社がランクインした。大学別では、カリフォルニア州立大学が470件の出願で連続首位、清華大学(265件)が二位となり、その後は深セン大学(247件)、マサチューセッツ工科大学(230件)、華南理工大学(164件)となっている。TOP10の大学には、米国が5校、中国が4校、韓国が1校がランクインした。
「知的財産権がますますグローバル競争の中心になってきた」と、ガリ事務局長は述べている。目下、新しい医薬品、新しい通信技術、グローバルチャレンジに対応する新しいアイデアに代表されるイノベーションが増え続けている。世界中の人々がその恩恵を受けるだろう。
近年中国はイノベーション駆動型発展戦略と知的財産権戦略の実施に力を入れ、イノベーションと研究開発への投資を拡大し、知的財産権の保護を重要視し、良好な経営環境を整えており、中国の知的財産権は量質ともにレベルアップし、その国際影響力も一段と向上するだろう。