3月15日にジュネーブで発表されたWIPOのレポートによると、2016年に国際専利(訳注:本文では発明と実用新案を言う)、国際商標及び国際意匠の出願が七年連続で増加し、記録を更新した。そのうち、中国は国際専利出願量が44.7%増加し、中興通訊股份有限公司と華為技術公司がそれぞれ国際専利出願人の一位と二位になっている。
WIPOの今回のレポートは主に知的財産権国際出願の専利、商標及び意匠に関する統計データである。WIPOのフランシス・ガリ事務局長は「世界経済は成長が低迷して失望されているが、ここでの状況は異なっている。国際専利出願が同期比7.3%増加し、国際商標出願も同期比7.2%増加し、意匠の国際出願は35%も増加した」と語った。
国際専利出願が依拠するところは「特許協力条約」であり、出願人は一つの国際専利出願を提出さえすれば、複数の国や地域で専利保護を取得することが可能である。2016年にWIPOは合計23.3万件の国際専利出願を受理した。同期比7.3%の増加である。
国別ランキングを見ると、アメリカが39年連続トップで、合計5.66万件の出願で出願全体の約四分の一を占めた。次に日本が約4.5万件であった。三位は中国で、合計4.3万件であった。ドイツと韓国がそれぞれ四位と五位である。WIPOによると、中国の国際専利出願数は2002年以降二桁成長をキープし、2016年は44.7%にも達している。
また、企業別出願人ランキングを見ると、中国の中興通訊と華為がそれぞれ一位と二位であり、次いでアメリカのクアルコム社、日本の三菱電機株式会社、韓国のLG電子となっている。技術分野では、デジタル通信、コンピューター技術、電気機械及び医療技術分野に出願が集中している。
レポートによると、2016年の国際商標出願は7.2%増の5.2万件余りであった。国別ランキングでは上位から順にアメリカ、ドイツ、フランス、中国、スイスである。うち中国の成長率が最も高く、68.6%に達した。次いでロシアの32.7%である。出願人別では、フランスのロレアル社が150件でトップに立ち、次いでイギリスのグラクソグループ、ドイツのBMW社である。また、意匠の国際出願は35%増加した。国別ランキングでは上位から順にドイツ、スイス、韓国、アメリカ、オランダとなっている。日本とトルコは従来から意匠の国際出願が少なかったものの、成長率がいずれも100%を超えた。意匠国際出願全体における割合では家具が最も高く、次いで録音・通信設備、運送機器、時計となっている。