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最高人民検察院が知財権十大案件を公布

時間:2016-05-20

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 最高人民検察院は5日、「2015年度検察機関が知財権を保護することに関する十大典型案件」を公布し、うち商業秘密侵害、著作権侵害、登録商標冒用、商標使用権紛争事件における抗訴(訳注:検察庁による裁判監督手続のこと)案、発明専利権侵害の判決に関する執行監督案など複数種の知財権案件を含む。同検察院の統計データによると、全国の検察機関は2015年に知財権侵害案件2615件に係わる4445人の逮捕を許可し、4484件に係わる8025人に対して公訴を提起し、知財権侵害犯罪に対する制裁を強化した。

 中国経済の発展に伴って、知財権に係わる紛争事件がどんどん増えてきている。2015年、全国各レベルの工商行政管理機関、市場監督管理部門は計5.1万件の権利侵害・偽物に関する案件を摘発し、案件に係わる金額は7.4億元であったが、地方(部門)保護主義の影響を受けて、一部の地方は知財権侵害、偽物・粗悪品の製造販売など違法犯罪行為を放任し、ひいては庇うことがあり、監督管理職責を担う行政法執行者や摘発の職責を担う調査担当者には私情にとらわれて不正を働き、職務怠慢または背任をし、侵害者の後盾となった者もいる。これに対し、職務犯罪取締りの職責を負う検察機関は摘発を強化した。2015年、全国の検察機関は偽物・粗悪品の製造販売行為を放任した(3件の案件に係わる)職務犯罪容疑者3人を逮捕し、3件に係わる3人に対し公訴を提起した。私情のため不正を働いて、刑事案件として(訳注:移送すべきものを)移送しなかった(13件の案件に係わる)職務犯罪容疑者15人の逮捕を許可し、64件に係わる118人に対し公訴を提起した。検察機関は刑事訴訟監督において、全国の公安機関が立案すべきであるが立案調査しなかった権利侵害・偽物案件について立案監督手続きを取ってから、それを受けて公安機関が立案して調査した偽物・粗悪品生産販売罪疑惑案件が859人717件、知財権侵害罪疑惑案件が49件61人であった。

 今年年始に開催された全国検察長会議には、「各級検察機関はビッグデータ時代における新型の知財権侵害に対する研究に力を入れ、知財権侵害や偽物・粗悪品製造販売行為に対する取り締りを厳しく行い、知財権分野における行政法執行と刑事司法との連携メカニズムの構築を積極的に推進し、「大衆創業・万衆創新」の実現を保障しなければならない」決意が明らかになった。