このほど、浙江省寧波市鄞州区検察庁は「技術調査官」制度を試験的に導入し、知的財産権案件にある技術的問題究明のニーズに応じ、植物新品種、意匠、ビジネス経営などの分野から技術調査官として14人を募集し、「技術」と「法的手段」の両方を駆使して知的財産権検察業務の高品質の発展を推進するとした。
先頃、ある製造会社の営業秘密侵害案件において、同社の銅合金の生産ラインレイアウトが営業秘密保護対象の秘密情報に当たるかどうかが論争の焦点となった。
担当検事は新材料業界の技術調査官とともに、守秘義務を厳しく定められた秘密保持契約を締結したうえで、被害社を訪ねて継続的に調査を行った。「被害を受けた企業の銅合金完全自動生産ラインは同業他社のものとは異なり、特別なレイアウトが生産能力を高めると同時に製品品質の安定性を高めており、同社の競争優位性を築いている。これこそ秘密情報と認定されるべきである」と、技術調査官は調査を踏まえて意見を表明した。プロフェッショナルな説明を聞き、被疑者は容疑を認めた。
ある対外貿易の「注文書転移」案件の捜査では、営業職の関氏が前の事業主の固定客を自身の新設会社に引き抜いたことがわかったが、このような行為は営業秘密侵害罪の対象になるか。
検事は技術調査官に意見と経験を尋ねたところ、こうした現象は、実際にはわりあいに広まっているが、刑事と民事が交錯し、証拠収集が困難で、法の適用をめぐる紛争が激しく、損害金額の算定が難しいなどの要因により、責任追及のために訴訟を提起する対外貿易会社がめったにないことがわかった。技術調査官の助けを借りて、1000通以上の英語のメールと業務記録を取り寄せて調べ、税関の対外貿易ビッグデータプラットフォームを利用して関係情報を絞り込み、対比を行った結果に基づいて、最終的に営業秘密侵害として関氏を対象に起訴した。
(国家知識産権戦略網から翻訳)