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最高裁が知財権案件年度報告の摘要を公表

時間:2016-05-20

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   最高裁判所知財権案件年度報告(2015年)の摘要が4月24日に公表された。上記報告は最高裁判所が2015年に審理済の知財権案件から典型案件32件を精選し、普遍的指導意義をもつ法律適用問題38個をまとめ、知財分野における新しく、難しく、複雑な案件について最高裁判所の審理方針と裁判方法を伝えた。

 紹介によると、最高裁判所知財廷は2015年、各種知財権案件759件を新規受理し、2014年の残った案件77件に合わせて、2015年に各種案件836件があった。最高裁は2015年に計754件の各種知財権案件を審理終了し、うち二審案件7件、提審(下級裁判所の案件を再審理すること)案件39件、当事者申請の再審案件682件、下級裁判所に報告された案件26件であった。

 上記案件は次のような特徴がある。専利と商標に係わる知財権案件は依然として受理案件の中で一番多く、専利と商標の権利付与・権利確認に関する行政案件が大幅増であった。専利行政案件のうち、技術特徴の区分けや解釈、背景技術の公開内容の確認、明細書が十分公開しているかどうかなど基本的な法律問題に係わる案件が多く、専利民事案件のうち、均等侵害に係わる紛争案が多く、先行技術抗弁と先使用権抗弁の運用も多い。植物新品種案件はDNAなど技術による同一性比較分野に突入し、係わった技術課題が一層複雑化、専門化になっている。商標案件全体の上げ幅が大きく、商標行政案の件数は2015年に再度大幅増を見せ、商標近似と商標類似の判断や先の権利の保護など法律問題は依然として一番のポイントであり、誠実信用原則の価値指向作用は商標案件審理において益々大きくなった。著作権案件の数と占める割合が大体安定しており、新しいビジネスモデルにおけるネット上の権利侵害が依然として多い。映画・ドラマ作品に関する著作権紛争が頻発している。不正競争案件のうち、商業秘密に関する紛争の割合が比較的高いが、権利者の証拠確保能力が弱く、挙証能力が低いために保護範囲が確定し難いケースがしばしば発生した。最高裁判所は初めて集積回路配置に関する案件を審理済み、回路配置の保護範囲確定など問題の解決を図った。