中医薬の知的財産権司法保護体制の健全化と改善、中医薬の伝統的知識の保護と現代知的財産権制度を効果的に結びつけるため、中国最高裁判所は12月22日に『最高裁判所の中医薬知的財産権司法保護の強化に関する意見』(以下、『意見』という)を公布し、中医薬の知的財産権訴訟実務について明確なガイドラインを示した。
中医薬専利の保護の強化について、『意見』は中薬の組成物、抽出物、剤形、製造方法、中医・中薬の設備、医薬の用途など主題別の専利の特徴を正確に理解し、中医薬の専利権付与・確認などの行政行為に対する司法審査を法により強化し、行政法執行基準と裁判基準の統一を促進し、中医薬の専利保護のニーズに応え続けることを強調している。中医薬の商用標識の保護の強化について、『意見』は中医薬の馳名商標、伝統的銘柄と老舗の司法保護を強化し、法により長年の未解決問題を適切に処理し、中医薬ブランドの伝承と発展を促進するとしている。また中医薬の営業秘密と国家機密の保護の強化について、法に基づいて国家機密として認定された伝統的中薬処方の組成と生産工程に特別な保護を与え、中医薬に関する国家機密を窃取、漏洩する行為を厳重処罰すると指摘している。中医薬の著作権と関連権利の保護について、『意見』は中医薬の処方、秘方、診断治療技術を収集、検証、発掘、整理したうえで形成された知的成果物と作成者の権益の保護を強化している。中医薬の革新主体の合法的権益の保護について、中医薬の技術成果の達成と転化において重要な貢献を果たした者が奨励と報酬を受け取ることを法により支持するとしている。
『意見』は中医薬の知的財産権侵害行為への懲罰を強化するために以下のことを要求している。法に基づいて行為保全を実施し又は訴訟妨害行為を制裁するなどの措置を講じて、中医薬分野の権利侵害行為を適時に効果的に阻止する。証拠保全、証拠提出命令、挙証責任の転換、証明妨害規則などを積極的に適用して中医薬知的財産権の権利者の挙証責任を軽減させる。懲罰的賠償の成立要件を正確に把握し、複数回にわたって権利を侵害、または権利侵害を業とするなど情状が深刻な権利侵害行為に対し、法により権利者の懲罰的賠償請求を支持し、権利侵害賠償額を効果的に引き上げる。刑事事件の取締りを強化し、法により中医薬知的財産権侵害行為を処罰し、刑罰による抑止、防止及び是正機能を十分に発揮させる。
(最高裁から翻訳)