中国最高検察庁は、現在、商標権侵害犯罪は、食品・医薬品、日用品・化粧品、衣類・鞄、タバコ・白酒などの従来の領域で依然として比較的多発していることに加え、市場経済の発展とネットワーク技術の進歩に伴い、新たな傾向や特徴が現れており、処罰と管理の難度がより高まっていると紹介した。
商標の使用は物理なものから電子的なものへと進化している。スマートフォン、BluetoothイヤホンなどのIoT製品の普及に伴い、商標マークの使用は、印刷、貼付、レーザー刻印などの従来の方式に限定されず、また従来の物理的媒体をも必要としなくなっている。電子機器の起動、接続・ペアリングなどの段階で、ポップアップや画面上に電子化された商標マークを表示することで他人の商標権を侵害する犯罪者もおり、こうした手法は技術力と隠蔽力が高く、消費者の商品出所に関する混同や誤認などを招きやすい。
侵害の対象が商品商標から役務商標へと拡大している。役務商標は既に刑事保護の対象に含まれている。各地の検察機関は、教育訓練、ホテル宿泊、家電修理、ファッションショーなどの分野に及ぶ一連の役務商標模倣案件を処理している。行為者は不法な利益を目当てに、サービス提供場所、店舗看板、広告資料などの媒体で他人の役務商標を無断使用し、他人の経営モデルを「丸写し」することで、権利者の信用とブランド価値を毀損している。
これらの案件は、発生場所がオフライン取引からオンライン取引などの新業態へと拡大している。現在、ネットワークを利用した商標権侵害、模倣品の製造・販売が多発している。特にクロスボーダー電子商取引プラットフォームを利用した商標権侵害は、一般に組織的集団によって行われ、一部はライブ配信での模倣品販売、有料広告によるトラフィック、正規品リンクの無断使用などの手段で販売量を増やし、犯罪のネットワークが広く、案件に関わる金額が大きく、取引には本物と模倣品の混在するケースや「広告と実際の商品が異なる」などのケースがあり、商品ブランドの評判と経済秩序に深刻な影響を与えている。
犯罪手段が従来の模倣品の製造・販売から「中古品の再生転売」へと進んでいる。近年、携帯電話、自動車などのデジタル製品、耐久消費財などの分野で、シリアルナンバーなどの重要な識別情報を変更したり、主要部品を交換したりするなどして、中古品を「リファービッシュ」した後、新品として転売するなどの行為が多発している。行為者は、資格認定書の不正取得や虚偽の販売契約締結などの方法で犯罪行為を隠匿している。生産、回収、改造、取引など複数の段階からなるブラック・グレー産業チェーンが形成され、中古品の流通秩序を破壊し、権利者と消費者の合法的権益を損なっている。
最高検は、今後、検察機関は新技術・新業態の発展に適応するため、新しい権利侵害分野、侵害対象、技術手段、ビジネスモデルに焦点を当て、法に基づき商標権侵害の処罰を強化し、商標権に対する刑事司法の保護を強め、公正に競争できる市場秩序を維持し、知的財産権強国の建設をサポートすると表明した。
(出所 中国共産党機関紙「人民日報」の公式サイト「人民網」)