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中国国家知識産権局 2022年中国有効発明専利の産業化率が36.7%

時間:2023-02-01

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中国国家知識産権局は2022年12月に恒例記者会見を開き、国家知識産権局戦略企画司の葛樹司長が『2022年中国専利調査報告書』を発表した。報告書によると、中国の専利の移転・転化有効率が着実に上昇している。

第一に、発明専利の産業化率が過去5年に着実に上昇した。2022年、中国の有効発明専利の産業化率は前年より1.3ポイント増の36.7%で、このうち企業の発明専利の産業化率は48.1%で、前年より1.3ポイント、2018年より3.1ポイント増加した。
第二に、大・中型企業の発明専利の産業化率が前年同期より上昇した。2022年、国内の大型企業及び中型企業の発明専利の産業化率は50.9%と55.4%で、それぞれ前年より3.8ポイントと0.8ポイント増加した。国内のリーディングカンパニーは専利の移転・転化能力が高く、中国の発明専利の産業化率の継続的な上昇を後押ししている。

第三に、大学の発明専利の移転・転化レベルが前年より向上した。2022年、中国の大学の有効発明専利の実施率は16.9%で、前年より3.1ポイント増加した。大学の発明専利の産業化率は3.9%で、前年より0.9ポイント増加した。大学の発明専利のライセンス率は7.9%で、このうち通常実施が主な形式であり、全体の6割以上を占め、64.3%に達した。移転・転化機構の設立などが大学の専利の移転・転化レベルの向上を効果的に促進する。

第四に、開放ライセンス制度が専利権者から重要視されている。中国の有効発明専利ライセンス率は前年より1.7ポイント増の12.1%で、過去5年間上昇を続けている。専利の開放ライセンスに関する調査によって、48.3%の専利権者が開放ライセンス制度をよく知っており、49.6%の専利権者が開放ライセンス制度の利用を希望し、このうち大学の専利権者が全体の9割を占めていることが明らかとなった。専利移転・転化を促す開放ライセンス制度の役割が正に顕在化している。

その他、中国の知的財産権保護状況が引き続き改善されている。

第一に、専利権侵害を被った専利権者の割合が歴史的低水準にあった。2022年、中国の専利権者で侵害を被った専利権者の割合は7.7%で、2年連続で8%を下回った。これは「第13次5カ年計画」期間の10%超より低く、「第12次5カ年計画」期間の最高値28.4%に比べて著しく低い。このことは中国の知的財産権保護状況の継続的な改善に伴い、専利権侵害行為は効果的に抑制されていることを反映している。

第二に、専利権侵害を被った後の企業の権利保護方法が多様化した。2022年、専利権侵害を被った後に権利保護措置を講じた中国企業専利権者の割合は72.7%で、4年連続で7割以上を維持している。専利権侵害を被った後に2種以上の権利保護措置をとった企業専利権者は50.2%で、前年より1.9ポイント増加しており、中国企業の専利権保護能力が全体的に向上したことを示している。

第三に、高額賠償を命じられた専利権侵害案件の割合が全体的に上昇傾向にある。2022年、専利権侵害紛争において裁判所が命じた賠償額や裁判上又は裁判外の和解額が500万元以上の案件は全体の7%を占め、2年連続で7%を上回った。それに対し、「第13次5カ年計画」期間ではその割合は最大で3.1%であった。調査によると、45.3%の専利権者が専利権侵害の懲罰的賠償制度を承知しており、知的財産権の「厳格な保護」の理念が広く受け入れられている。

第四に、中国企業が海外での知的財産権レイアウトを拡大し続けている。近年中国出願人は海外での知的財産権レイアウトを強化しており、今後も拡大を続けると予想されている。2022年の調査によると、調査対象企業の8.3%が専利の海外出願を増加させるとしており、海外出願を減らすことを計画している企業はわずか2.1%であった。また、調査対象企業で海外専利を使用したことのある企業は、海外に専利を使用許諾、譲渡したことのある企業の2.1倍で、中国企業の専利輸入が多く、輸出が少ないという状況は依然として顕著である。

(中国新聞網から翻訳)