改正後の中国専利法が2021年6月1日より施行されますが、『専利法実施細則』と『専利審査指南』の改正の終了と発効はその数ヵ月後になることから、同規則が暫定的な措置として公布されました。

改正後の中国専利法の施行の説明、及び弊所の提案を以下のとおりご案内いたします。

1. 2021年6月1日から、出願人は部分意匠の出願を提出することができますが、その審査は改正後の『専利法実施細則』の発効後になります。出願人は部分意匠出願の図面に破線又はその他の適切な方法を用いてデザインの一部の放棄を主張することができます。また、その後の審査プロセスで中国知識産権局の要求によって放棄の方法を変更することができます。

2. 2021年6月1日以降に提出された意匠出願は意匠権の保護期間が15年になります。意匠出願の新規性さえ保証できれば、この規則を利用して提出済みの意匠出願を再提出することで、より長い保護期間の恩恵を受けることができます。

3.2021年6月1日以降に優先権を主張する特許・実用新案出願を提出する場合、専利出願書類の副本の提出は出願日から16ヶ月以内となります。なお現行の規則では3ヶ月以内に提出しなければならないと規定されています。

4.2021年6月1日以降に権利付与された特許について、専利権者は専利権存続期間の調整（PTA）請求を提出することができますが、その審査は改正後の『専利法実施細則』の発効後になります。専利権付与日が2021年6月1日以降で、さらに出願日から4年が経過し、かつ実体審査請求日から3年経過した特許についてはPTA請求を提出することをお勧めします。2021年6月1日から、専利権証書の送付とともに、4年・3年要件を満たすかどうか、PTA請求提出の可否をお知らせします。

5.2021年6月1日から、専利権者は新薬販売許可日から3ヶ月以内に専利権存続期間の延長（PTE）請求を提出することができますが、その審査は改正後の『専利法実施細則』の発効後になります。即ち、2021年3月1日以降に販売許可を得た新薬についてはPTE請求を提出することができます。

専利権者又は新薬販売資格者には、2021年3月1日以降に販売許可を得た新薬にかかわる専利についてPTE請求を提出することをお勧めします。

a）2021年3月1日以降に中国国内での発売許可を得た新薬の有無、その新薬にかかわる中国専利の有無を直ちに確認していただき、

b) 有る場合は、販売許可証をご送付いただき、

ご要望を伺い、ご指示をいただいた上で、2021年6月1日から3ヶ月後の期限までにPTE請求を提出させていただきます。PTE資格についての最終規則はまだありませんが、少なくとも3ヶ月後の期限までにPTE請求を提出すれば、専利権存続期間延長の機会を確保することができます。

6.2021年6月1日から、専利権者、利害関係者のほか、権利侵害被疑者も中国知識産権局に実用新案又は意匠の専利権評価報告の発行を請求することができます。

上記について、何かご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。