IP情報

News and Insights

最高裁判所が植物新品種権についての新たな司法解釈を公布

時間:2021-12-09

分享到:

プリント
中国最高裁判所は7月5日、『最高裁判所の植物新品種権侵害紛争の審理における法的問題の具体的な適用についての若干規定(二)』(以下、新たな品種権司法解釈という)を公布した。同司法解釈は2021年7月7日より施行される。

最高裁判所知的財産権法廷の責任者によると、今回の新たな品種権司法解釈は注目度の高い内容を数多く含んでおり、以下の五つのポイントがある。一、保護範囲が拡大された。品種権の保護対象になるかどうかは育成方法の制限を受けず、許諾販売行為及び他人の権利侵害を幇助して購入、保存、輸送、加工などをする侵害幇助行為も品種権の保護範囲に入れ、権利侵害行為の全面的な取り締まりを形成している。二、保護を強化し、司法保護の迅速性と効果を向上させ、懲罰的賠償を実行し、悪質な権利侵害行為を強力に抑止し、品種権者への全面的な利益補償を明確にしている。三、権利保護の難度を下げ、挙証責任を適時に転嫁させ、品種権者の権利保護の利便化を図り、文書提示命令と挙証妨害制度を十分に活用して、不誠実な被疑侵害者に不利な法的結果を負わせる。四、法制度を改善し、科学研究の例外を明確にし、育種のイノベーションを奨励する。権利消尽原則と合法的由来の抗弁について規定し、市場交易秩序の安定を維持する。法に基づいて農民の自家用栽培の権利を保護するだけでなく、「農民特権」の濫用による権利侵害の実施を防止する。五、鑑定プロセスを規範化し、鑑定人、鑑定方法の選び方と再鑑定の要件などを明確にしている。

今回の新たな品種権司法解釈は、品種権者の利益の確かな保護、権利侵害に対する厳格な取り締まり、品種業界の自発的なイノベーションの促進を目的とし、保護範囲、権利侵害幇助、科学研究の例外などについて、審理の規則を明確にし、品種業の自発的なイノベーションと健全で秩序ある発展をサポートし、その他、品種分野における偽称などの重点課題を力ずくで解決し、権利侵害者に大きな代価を払わせ、打撃を加えるものである。

また、許諾販売、権利侵害幇助、仮保護期間と権利終了から回復までの終止期間費用補償、懲罰的賠償、しきい値近接の判断などの条文で、新たな品種権司法解釈は権利保護に利するとの司法理念を堅持し、育種イノベーション成果の法的保護範囲を拡大し、損害賠償額を増やし、適時に挙証責任を移行し、保護を確実に強化し、イノベーションに有利な市場環境、法的環境を整えるものである。(中華人民共和国最高裁判所から翻訳)