先頃、最高裁判所が『著作権と著作権にかかわる権利の保護の強化に関する意見』(以下、『意見』という)を発表した。『意見』は、知的財産権裁判の質と効率の向上によって、文学、芸術及び科学分野の著作権保護を着実に強化し、著作権裁判を十分に利用して文化育成を規範化、指導、促進、保障し、中国全体のイノベーションの活力を刺激し、社会主義精神文明の構築を推進し、文化事業と文化産業の繁栄を促進し、国の文化のソフトパワーと国際競争力を高め、経済社会の質の高い発展に寄与することを要求している。
『意見』は以下のことを強調している。法に基づいて創作者の権益保護を強化し、伝播者と公衆の利益の全体バランスを考慮し、中国現代化建設におけるイノベーションの中核的な地位を確保する。法に基づいて新興産業の奨励と権利者の合法的権益の保障のバランスを保ち、創作の奨励と国民の文化的利益を調和させ、作品普及の促進における権利譲受人と実施権者の重要な役割を果たさせ、法に基づいて著作権と著作権にかかわる権利を保護し、知的成果の創出と普及を促進し、社会主義文化と科学事業を発展、振興させる。
また『意見』は以下のことを指摘している。複雑度によって案件を分類してて処理するパイロット運用を推進し、著作権分野の分類化された案件の審理周期の短縮に力を入れる。知的財産権訴訟の証拠規則を改善し、ブロックチェーンなどによる証拠の保存、確保、提出を認め、知的財産権権利者の挙証難の問題を効果的に解消する。法に基づいて当事者の行為保全、証拠保全、財産保全に関する請求を支持し、多種の民事責任方式を総合的に活用して、権利者が民事案件でこれまで以上の包括的な救済を得られるようにする。
『意見』の発表は、法の適用規則を明確にし、誠実な訴訟を提唱し、著作権侵害行為を抑止することを旨としている。『意見』はさらに、署名推定規則の全面的な適用、新型案件の適切な審理、権利侵害となる複製品やその材料と道具の廃棄、権利者の損失に対する十分な補償、故意的な権利侵害についての正確な認定、及び当事者の誠実な訴訟に関する指導などの問題について具体的に規定している。