「3年にわたる実践を経て、インターネット裁判所は国際社会が中国のインナーネットに関する法整備を理解、把握するための重要な窓口となっている。」9月23日、中国最高裁判所の李少平副長官はこのように語った。
2017年8月以降、中国は杭州、北京、広州に相次いでインターネット裁判所を設立した。2020年8月31日までにインターネット裁判所は合計2487件の渉外案件を受理し、2320件の裁判を終了した。関与金額は2.4億人民元に上り、案件は多国間の知的財産権保護、国境を越えた電子商取引、国際ドメインネーム係争解決などに係わる。
「世界のインターネット分野に新しく出現したモデル的な案件を数多く審理し、法に基づくインターネット監督管理の面で中国の発言権と影響力を効果的に高めた」と李少平副長官は語っている。
杭州インターネット裁判所は「多国間のペッパピッグ著作権係争」の審理を成功裏に収め、国内外から注目を集めた。北京インターネット裁判所は渉外案件の協議管轄審査基準の完備化を模索し、一部の電子商取引プラットフォームが管轄協議を利用して中国消費者の合法的権利を排除、制限することを防止した。広州インターネット裁判所は「実際の繋がりの原則」を合理的に拡大解釈し、関係多国間のドメインネーム帰属係争を管轄下に組み入れ、中国のドメインネーム係争解決分野の発言権を高めた。
先頃国務院が公表した『中国(浙江)自由貿易区拡大区域方案』は、杭州インターネット裁判所がデジタル経済発展モデル区建設におけるサービスと保障を提供し、訴訟、仲裁、調停が有機的に連携する多様化した国際商事係争解消メカニズムの完備化をサポートすると指摘している。「これは我が裁判所の更なる発展の新たなチャンスと活躍の場となる」と、杭州インターネット裁判所の杜前所長は語っている。
広州インターネット裁判所の張春和所長は、「2019年、我が裁判所は全国に先駆けて香港やマカオにも繋がる多様化した係争解消プラットフォームの利用を開始した。粤港澳大湾区(広東省珠江デルタの9都市および香港・マカオにまたがる湾岸地域を指す)の59の調停機関と1131名の調停者が登録し、23775件の係争の調停に成功し、また法に照らし、中国香港籍の調停者の国境を跨いだ係争の解決における資格を認めた」と述べ、今後はインターネット上の司法の応用普及促進メカニズムの模索に力を入れると続けた。