中国最高裁判所が9月13日、『インターネット環境における知的財産権侵害係争に関する法律適用問題についての回答』(以下、『ネット知財回答』という)と『電子商取引プラットフォームに関わる知的財産権民事案件の審理についての指導意見』(以下、『電子商取引プラットフォーム意見』という)を公布した。
「回答」は、地方裁判所からの裁判における法律適用についての伺いに対する司法解釈である。この度公布された『ネット知財回答』は、知的財産権権利者による証拠保全申立、インターネットサービス提供者及び電子商取引プラットフォーム経営者が連帯責任を負う場合の要件、インターネットサービス提供者及び電子商取引プラットフォーム経営者がネットワークユーザ及びプラットフォーム内経営者による非侵害声明を処理する期限、悪意の非侵害声明に対する懲罰的賠償の適用要件、知的財産権権利者による悪意のない虚偽通知提出の民事責任の免除などのインターネット環境における知的財産権侵害に関する問題について規定しており、また同時に、同回答公布の時点で終審に至らない係争には同回答を適用し、同回答公布の時点で終審判決が出て、当事者による再審申立て又は裁判監督プロセスで再審予定の係争は同回答適用の対象とならないと明確に規定している。
『電子商取引プラットフォーム意見』は、最高裁判所による初めての電子商取引分野の知的財産権保護問題に関する指導意見である。11条からなり、基本的原則、一般規定、電子商取引プラットフォームの知的財産権保護規則と管理措置、電子商取引プラットフォーム経営者の法的責任などをカバーしている。『電子商プラットフォーム意見』は問題志向を堅持し、裁判経験を踏まえ、司法政策の指導機能を強化している。例えば、第二条のプラットフォーム上の自営業務の認定に関する規定、第六条の通知人の悪意の有無の認定に関する規定などは、規則を詳細化し、裁判基準を統一化するのが主な目的である。また、『電子商プラットフォーム意見』は業界の自律、ソーシャルガバナンスの促進にも焦点を当てている。例えば、第五条の通知内容に関する規定、第七条の声明内容に関する規定などは、電子商取引プラットフォーム経営者に効果的なプラットフォームガバナンス措置を制定し、実行させることで、電子商取引市場の規制の中でのプラットフォームの積極性を発揮させ、知的財産権を尊重、保護し、市場の公正な競争秩序を守るためのものである。