先頃、商務部、国家知識産権局などの11部門が『北京市サービス業の開放拡大に関する総合的なパイロット経験の模倣、普及についての通知』を公布し、北京市サービス業の開放拡大に関する総合的なパイロット経験を全国に模倣させ、普及させることとなった。「多様化した知的財産権係争調停メカニズム」は6つの模倣普及事項の一つであり、主な内容は「業界別に専門的な調停組織の設立を推進し、知的財産権部門が先頭に立ち、司法行政部門が指導し、司法部門が保障するという、多部門が連携して知的財産権係争を調停する多様化した調停メカニズムを構築する」というものである。
首都ならではの多様化した知的財産権係争調停メカニズムには以下の特徴がある。一、全国に先立って、業界団体や商工会に業界別に専門的な知的財産権係争の調停組織を設立し、トレーサビリティ管理に重点を置き、業界内の企業の知的財産権総合能力の向上を目指し、業界団体や商工会の自主規制メカニズムを発揮させ、多様化した知的財産権係争調停メカニズムの構築を進めている。二、複数部門間の連携メカニズムが役割を十分に発揮し、知的財産権部門が取り仕切り、社会組織が主体となり、司法行政部門が指導し、司法部門が保障するという複数部門が連携して知的財産権係争を調停する多様化したメカニズムを構築している。三、産業の振興を力強く支えるため、北京市は14の知的財産権係争調停組織を設立しており、北京の代表的な十大ハイテク産業をカバーし、2020年7月現在で累計1.6万件の係争を受理した。うち、北京ソフトウェア及びインフォメーションサービス業協会知的財産権係争調停委員会は3499件を受理し、調停により2504件を終了、調停成功率は90.69%となっており、企業に便利で効率がよく、ローコストの権利保護ルートと知的財産権公共サービスの入手ルートを提供し、ハイテク産業の振興を力強く支援している。
次の段階で、北京市知的財産権局は市司法局、市高級裁判所などの部門と連携、協力し、多様化した係争解決メカニズムをさらに改善して、知的財産権係争解決メカニズムを地方にまで普及させ、渉外知的財産権係争の調停を積極的に探求し、首都の高品質の発展と開放拡大を推進する予定である。