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北京知的財産権裁判所 作品名称にかかわる先行権利の保護関連案件の審理状況を発表

時間:2020-07-31

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北京知的財産権裁判所は2020年6月19日に記者会見を開き、作品名称にかかわる先行権利の保護関連案件の審理状況を紹介し、2019年以降に同裁判所で審理した作品名称にかかわる先行権利の保護関連案件の情況、特徴、酌量情状を伝え、典型的判例を公表した。

中国の市場経済と文化産業の急成長に伴い、人気のドラマ・映画、アニメ、ゲームなどの作品が派生商品の開発販売等のビジネスモデルによりさらに大きな商業的価値を得るようになった。関連商標が先駆け登録されれば、権利者に経済的損失を与えるばかりか、市場秩序を混乱させてしまうだろう。このため、作品名称の先行権利に対する保護は、経営環境の整備、悪意の登録出願の取締り、商標登録使用の規範化に良好な効果をもたらす。

商標法第三十二条と最高裁による『商標権付与・確認行政案件の審理における若干問題についての規定』第二十二条が、作品名称及び作品キャラクターの名称に関する先行権利保護の法的根拠である。これらの条文には、「先行権利」は氏名権、著作権などの合法権利を含み、高い知名度を有する作品名称、キャラクターの名称などが一定条件下で先行権利として保護できると規定されている。

2019年以降、北京知的財産権裁判所は合計20172件の商標行政案件を受理し、20392件の裁判を終了した。裁判終了案件のうち、作品名称や作品キャラクターの名称にかかわる先行権利の保護に関する案件は67件で、同期間に裁判終了した商標行政案件の約0.3%を占めている。関連作品名称には「鉄腕アトム」、「アナと雪の女王」、「永遠の桃花~三生三世~」、「リーグ・オブ・レジェンド」などがある。

「作品名称にかかわる先行権利の保護に関する案件の、北京知的財産権裁判所で審理した商標行政案件に占める割合は高くないが、往々にして莫大な利益にかかわるので常に注目されるものになる。」宋魚水北京知的財産権裁判所副所長はこのように述べ、作品名称にかかわる先行権利の保護案件は、関係作品の知名度が高く、利用者が多いこと、作品名称の「識別性」が比較的に高いこと、多くの場合関連作品の権利者が外国人であること、作品名称の保護範囲は日常生活との関連性が高く、往々にしてその保護範囲は作品の所属分野にとどまらないことなど、四つの特徴を持つと続けた。

北京知的財産権裁判所は、作品名称を先行権利として保護すべきかどうかを判断する際に、次の四つの酌量情状を考慮すべきと念を押した。即ち、著作権保護期間内の作品名称が係争商標が出願される前に一定の知名度を有していたか否か、係争商標は作品名称と同一又は近似しているか否か、係争商標の登録出願人は主観的な悪意を持つか否か、そして係争商標の指定使用商品が先行作品名称の知名度の及ぶ範囲内にあり、当該商品が先行作品所有者に許可されたものだと関係公衆に誤認させる虞があるか否か、又は両者に特定の繋がりがあると関係公衆に誤解させる虞がある否かである。

席上、北京知的財産権裁判所第二裁判グループの張暁津グループ長と張寧裁判官と馬興芳裁判官が「リーグ・オブ・レジェンド」、「鉄腕アトム」、「永遠の桃花~三生三世~」、「羊のショーン」の四つの商標権無効審決不服行政係争案件を紹介し、また関係酌量情状の適用について解説した。

「北京知的財産権裁判所は今後国家知的財産権戦略の実施を深化させ、商標権権利付与・権利確認に関する行政案件の審理を完遂し、作品名称などの先行権利に対する保護を強化し、悪意のある登録出願を取締り、商標登録使用秩序を守り、経営環境の最適化を支援する」と、宋魚水副所長が述べた。