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上海知的財産権裁判所が2件の意匠権侵害係争をオンライン審理

時間:2020-03-30

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上海知的財産権裁判所(以下、「上海知財裁判所」と略す)は2月13日、原告の浙江好来喜児童用品有限公司(以下、「好来喜公司」と略す)が提訴した2件の意匠権侵害係争をオンラインで審理し、遠隔映像証拠開示方式を利用して権利侵害被疑意匠と権利付与した意匠との比較を行った。 

原告の好来喜公司は「バランスバイク(2)」と称する意匠権(専利番号ZL201730077436.5)(以下、「本件専利」と略す)の権利者である。2019年5月、原告は、被告の韋某、厳某がそれぞれ拼多多という通販サイトのオンラインストア「宝宝歓楽童年」、「等風来等你」で本件専利侵害被疑製品を販売したこと、被告の上海尋夢信息技術有限公司(以下、「尋夢公司」と略す)が拼多多通販サイトの経営者として、慎重な審査義務を果たさず、両被告の権利侵害範囲を拡大したこと、を発見した。故に原告は裁判所に提訴し、被告が直ちに原告の意匠権侵害製品の生産販売を停止し、在庫の権利侵害製品を全部廃棄し、被告共同で原告の経済的損失と本件にかかった合理的な費用(2件合計)10万人民元を賠償することを求めた。 

この2件の係争の原告である好来喜公司の弁護士は広東に所在しており、2件の第一被告への召喚状送付はすべて公告送達方式を採り、2件の第二被告である尋夢公司の弁護士は上海に所在していたことから、当裁判官は原告と第二被告と連絡し、双方の同意を得た上で、インターネット審理システムを利用して2件の係争を審理することを決定した。勿論、公告送達された2件の第一被告が裁判所に来て訴訟に参加することについて、上海知財裁判所は十分な準備を行った。 

当日の午前、何淵裁判長はオンライン審理システムが正常に利用できることを確認した上でガベルを叩き、正式に審理開始を宣言した。意匠権侵害判断においては、原告と被告によるイ号製品の意匠と本件専利の意匠に関する証拠の開示と比較が必要である。そのため裁判官は高精細度カメラを用いて複数の角度から証拠物を観察し、双方当事者の証拠質疑と比較意見を十分に聞き取った。2件の案件を併合審理して、昼前に審理を無事に終えた。審理方式の革新で、案件の審理は予定通りに行われ、各当事者の訴訟権利は十分に保障された。