国家知識産権局知的財産権保護司、商務部電子商務&情報化司のサポートの下で、国家知識産権局知識産権発展研究センターにより作成された『中国電子商取引知的財産権発展研究報告書(2019)』が2019年12月12日に発表された。同報告書によると、中国は電子商取引分野における知的財産権保護が大きな成果を収めた。
同報告書は2019年の中国電子商取引分野における知的財産権保護作業を総括し、主流の電子商取引プラットフォームにおける権利保護のデータ、整頓の難題と効果などの面から中国電子商取引分野の知的財産権保護に関する実務経験を全面的に取りまとめ、また、法による護衛、プラットフォームの自治、社会的共同管理、ガバナンスのスマート化という理念を打ち出している。
なお、同報告書は「保護規則の体系を改善し、多角共同管理の管理モデルを構築し、偽物取締り・偽造防止技術の研究とその活用を強化する三つの面において積極的に努力した結果、中国の電子商取引分野における知的財産権保護は著しい成果を収めた。このうち、多角共同管理という管理モデルは電子商取引分野における知的財産権保護管理の変革の方向性であり、ガバナンスの注目点でもあり、これについて各方の協力と対話を強化し、イノベーションとグレードアップを促進しなければならない。そのほか、政府と企業の連携については、当面長江デルタ地域と汎珠江デルタ地域の13の省(区、市)では手がかり通報、証拠移送、案件調査の協力、案件の連携処理、検証・鑑定結果の相互承認などの制度ができており、また電子商取引プラットフォームにおけるネット取引のビッグデータを利用して、権利侵害・偽物などの違法行為に対する合同摘発を行っている。プラットフォームと権利者の協力については、プラットフォーム側が知的財産権権利者と協力して公衆評価メカニズムを構築し、係争のオンライン判定を実現し、知的財産権保護の効能を向上させた」と指摘している。
国家知識産権局知識産権発展研究センター責任者の韓秀成主任は、「中国では電子商取引が潜在力と国際競争力に富んだ経済発展モデルになっている。電子商取引は国民経済における位置づけや役割が際立つようになる一方、知的財産権保護について一連の問題や挑戦も多く見られる。上記報告書は初めて法による護衛、プラットフォームの自治、社会的共同管理、ガバナンスのスマート化などの面から中国の電子商取引分野における知的財産権保護の発展を取りまとめたものであり、中国の電子商取引分野における知的財産権の高水準の保護と良質の発展を促すために参考となる。これからも研究を続け、毎年定期的に結果を発表していく」と述べた。