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商業秘密侵害に最高300万元の罰金

時間:2018-02-05

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 全人代常務委員会は2017年11月4日、『不正競争防止法』改正案を採択した。改正後の『不正競争防止法』は2018年1月1日より施行される。

 商業秘密とは、公衆に熟知されず、商業価値を持ち、かつ権利者により秘密保持措置が講じられた技術情報及び経営情報をいう。従業員、元従業員が約定、または権利者の商業秘密保持に関する要求に違反して、その掌握した権利者の商業秘密を披露、使用、又は他人に使用を許諾し、商業秘密侵害となる場合、違法行為の停止を命じ、併せて10万元以上50万元以下の罰金を科す。情状が深刻の場合、最高300万元の罰金を科す。

 より多くの企業が効果的に商業秘密を保持することを支援するため、法制日報社と商標秘密ウェブサイト知財権保護プラットフォームは2017年9月15日に、北京で「第一回中国商業秘密保護ハイレベルフォーラム」を開催し、「中国企業商業秘密保護連盟」を発足させた。企業は「商業秘密ウェブサイト」に無料登録した後、『企業商標秘密保護システムV1.0』をダウンロードし、無料で商業秘密保護システム(基本ベース)を構築し、商業秘密侵害となるリスクの高い十大行為を避けることができる。「第一回中国商業秘密保護ハイレベルフォーラム」が「有名企業商業秘密保護計画」をスタートさせ、華為、アリババ、テンセント、360、シーメンス、蘇泊爾、九牧、香飄飄、上汽通用五菱、公牛が計画リストにおける第一回計画の企業となった。また、同フォーラムは『中国製造2025』計画に中国企業の商標秘密保持能力と保護レベルを先進国に近づかせ、さらに追い越すことを提案した。

 商業秘密保護の専門家である孫佳恩氏は、『不正競争防止法』改正後、中国企業が商業秘密保護をますます重要視し、商業秘密を企業の「心臓」と「財産」とし、より効果的に保護を与え、国内外の競争に立ち向かうであろうことを確信している、との認識を示した。

http://www.ipr.gov.cn/article/gnxw/symm/201711/1913517.html

 

 

コメント:

 商業秘密侵害は長年にわたり国内外投資者の関心を集める問題である。新『不正競争防止法』には、商業秘密とは公衆に熟知されず、商業価値を持ち、かつ権利者により秘密保持措置が講じられた技術情報や経営情報をいうと規定されている。今回の改正では、従来の「権利者に経済利益をもたらし、実用性を有する」文言を削除し、「商業秘密」の範囲を実質的に拡大した。また、新『不正競争防止法』は商業秘密侵害者に対する行政処罰を強化し、行政法執行の権限を拡大したうえ、商業秘密侵害の法定賠償金上限を300万元まで引き上げている。なお、新『不正競争防止法』は司法実務に基づいて、商業秘密侵害の主体についてある程度整理を行い、その範囲を拡大した。

商業秘密に関する新法の改正は商業秘密保護の強化に対する前向きの態度と決意を示している。