先頃発表された世界知的所有権機関の年度報告書によると、2016年に世界各地の発明者が提出した発明専利出願は310万件で、七年連続で増加傾向を維持した。このうち、中国の発明専利出願の増加数は世界全体の98%を占めた。
『世界知的財産権指標』報告によると、2016年に世界中で提出された専利出願数は前年より8.3%増加し、中国が受理した専利出願はアメリカ、日本、韓国及びヨーロッパの合計を上回った。
「中国はイノベーションとブランドの面で徐々に世界のリーダーとなりつつある。」世界知的所有権機関のフランシス・ガリ事務局長はこのように語り、世界の発明専利出願増加数に占める中国の割合から、中国イノベーションの発展の趨勢が窺えるとしている。
報告によると、2016年に中国国家知識産権局が受理した発明専利出願は130万件に達し、再び記録を更新し、他の国を大きく引き離した。中国の出願数の大幅な伸びにより、世界出願全体におけるアジアの割合は2006年の49.7%から2016年には64.6%に上昇した。
しかし、内外出願の件数では、アメリカが引き続きリードし、日本、ドイツ、韓国が続いている。フランシス・ガリ氏は「内外出願は知財権保護の国際化を反映しており、外国市場における技術産業化の願望を伝えるものである」と語っている。一般的に、国際保護を求める発明専利は価値が高いものである。
また、商標と意匠の出願数についても、中国が世界をリードしている。ただ、発明専利出願と同じく、ほとんどの中国商標出願、意匠出願は中国国内のみで保護を求めている。
フランシス・ガリ氏は、中国の膨大な人口基数と国内市場、及び日増しに完備化される知財権保護システムは各業界の持続的なイノベーションに重要な原動力を与えているとの認識を表している。
http://www.ipr.gov.cn/article/gnxw/zl/201712/1914268.html
コメント:
中国で受理した発明専利出願がアメリカ、日本、韓国及びヨーロッパの合計を上回ったものの、内外発明専利出願数ランキングでは、中国はアメリカ、日本、ドイツ、韓国の後にある。この二つのランキングの順位は対照的である。
発明専利出願は当該国(地域)の市場に対する出願人の期待を示すものである。中国で受理した発明専利出願数から、(知財権保護システムを含む)中国経済の発展とインクルーシブが窺える。
基本的に、内外発明専利出願は比較的品質が高い。中国の内外出願が比較的少ないことは、中核技術の競争において中国企業と先進国の成熟企業にはまだ開きが存在し、中国企業が全体として成長期にあることを示している一方、より公平で開放的な国際環境を呼びかけている。