北京知財権裁判所によると、中国初のGUI（Graphical User Interface）意匠専利権侵害案件が同裁判所に受理された。

　北京奇虎科技有限公司（以下、「奇虎科技公司」と略す）と奇智ソフトウェア（北京）有限公司（以下、「奇智ソフトウェア公司」と略す）は、北京江民新科技術有限公司（以下、「江民公司」と略す）がそのソフトウェアインターフェースにおいて原告人所有のZL201430324280.2号、ZL201430329167.3号及びZL201430324283.6号意匠専利を使用し、これらの専利権を侵害したとして、訴訟を提出し、被告に対して権利侵害を止め、影響を除去し、原告に経済損失1500万元を賠償するよう裁判所に求めた。

　先頃、江民公司は本件意匠について専利複審委員会に無効審判請求を提出し、北京知財権裁判所に審理中断の請求を提出した。合議廷は審査のうえ、奇虎科技公司により提出された本件意匠専利権評価報告に基づいて、本件意匠の専利権が安定していることを認め、案件の審理を中断しないと決定し、江民公司の中断請求を却下した。

　本件に関するGUIとは、表示画面の視覚提示画像のオペレーティングシステムに繋がるインターフェースをいう。ユーザはインターフェースにおけるアイコンをクリック・タッチして操作する。GUI意匠は、電子製品又はソフトウェアのインターフェースに表示されるデザインである。GUIは「『専利審査指南』の改正についての国家知識産権局の決定」（第68号）で初めて中国専利法の保護範囲に入ったが、その対象範囲、権利範囲、損害賠償の算出などについてはまだ判例がない。中国のGUI意匠専利権保護について、本件は先駆的な指導的意義を持つ。

　北京知財権裁判所は後日本件を開廷審理する。