2025年4月30日から6月15日にかけて、中国国家知識産権局は、「専利審査指南の改正草案(意見募集稿)」に関する意見募集の通知を発出し、添付資料として「専利審査指南の改正草案(意見募集稿)」の新旧対照表及びその改正説明を公表して、意見を公募した。各界からの意見を十分に検討し、取り入れ、改正内容を一層改善させた後、「専利審査指南の改正草案(審議稿)」をとりまとめた。同審議稿は国家知識産権局の局務会議での審議を経て可決され、2026年1月1日より施行される。
今回の改正は、需要志向を堅持し、新分野・新業態における専利審査基準の充実に焦点を当て、審査実務において早急な解決が求められ、かつ意見が比較的成熟し一致している内容について改善を図ったものである。
新分野・新業態の保護制度を健全化し、産業の革新をさらに奨励
第一に、植物品種の定義を明確にし、専利権付与対象の範囲を拡大し、植物新品種制度と合理的かつ効果的に連携させ、種子産業における知的財産権保護を強化している。第二に、人工智能技術の発展ニーズに対応するため、人工知能の倫理への配慮と判断を追加し、進歩性審査の事例を示し、出願書類の作成要求を明確化にしている。第三に、ストリーミングメディア産業の急速な発展という新たな状況に順応し、ビットストリームに関する専利出願の審査特則を追加し、専利権付与が可能な情状を明確にしている。
審査実務において早急な解決が求められる問題に対し、審査基準と規則を最適化
第一に、本来の立法趣旨に立ち返り、同日出願の取扱い方法を改善し、実用新案権の放棄によって特許権を取得することのみを認める。第二に、審査効率を向上させ、特許出願の質を高めるため、進歩性条項の内在的意味合いと本質的な要求に基づき、特許請求の範囲において技術課題の解決に貢献していない特徴は、通常、技術的方案に進歩性をもたらさないと明確にしている。第三に、無効審判請求の提出が請求人の本意ではない場合には受理しないことを明確にし、悪意のある無効審判請求行為を規制している。
審査実務における成熟した慣行を定着させ、イノベーション主体へのサービスを改善
第一に、オンデマンド審査の理念と迅速審査に関する規定を明確にし、イノベーション主体の実際のニーズに応えている。第二に、分割出願が優先権を主張しない場合の審査規則を明確にし、分割出願人が優先権を主張する権利を保障している。第三に、出願人が審査基準を理解しやすくするため、優先権譲渡証明書類の提出要求を明確にしている。
(出所 中国国家知識産権局の公式サイト)