広州インターネット裁判所の関係担当者によると、同システムを通じて、当事者は訴訟請求、作品の種類、権利侵害の経緯、証拠などの要素をモジュール方式で入力さえすれば、提訴、挙証、答弁などのプロセスを完成し、またインターネット著作権係争全プロセスの要素の審理を実現することができる。システムの利用開始から、裁判所は設立から2年間に審理した6万件以上のインターネット著作権係争案件にかかわる作品の性質、独創性、作品所有権の帰属、権利侵害の責任などの要素を論理的に整理し、まとめ上げ、1500枚以上の裁判知識図譜を作成し、またそれをデータ基礎として[ZHIシステム]の枠組みを構築した。例えば、撮影作品の場合、図譜は100以上の分岐からなり、完成の時点、掲載の時点、撮影設備、色の組合せなど300以上の要素を全面的に対比し、対比の精度と効率を大幅に向上させた。
張春和裁判長は、「ビッグデータの活用は『ZHIシステム』構築のためにデジタル基盤を築き上げ、スマート裁判の実現に広大な発展スペースを提供している。インターネット裁判の規則を練り上げ、集約的で高効率で、便利でスマートで高精度な現代訴訟サービスシステムを作り、インターネットカバナンスシステムとカバナンス能力の現代化を推進し続いていく。『ZHIシステム』のレイアウトは合理的で、マークは明瞭でインタラクティブ性が高く、裁判官はワンクリックで自動抽出、AIによる識別と簡易案件の裁判文書の一斉作成を手軽に実現することができる」と紹介した。
また、同システムはさらにブロックチェーンで証拠を保存し、同裁判所の「網通法鏈」という電子証拠プラットフォームと同期接続していることで、権利者は作品完成の時点で著作権帰属チェーンを利用して証拠を保存することができ、またいつでもクラウドストレージから証拠を取り出し、オンラインで検査することもでき、インターネット著作権係争にかかわる権利確認と証拠の収集という難関を効果的にクリアした。「『ZHIシステム』はビッグデータ、ブロックチェーン、人工知能など先進技術を活用してインターネット分野の知的財産権保護における実務上の難題を解決し、科学技術と司法の深い統合に成功モデルを提供するものである」と、曁南大学知的財産権学院の徐瑄教授は語っている。