中国国家知識産権局は1月22日、北京で2021年第1四半期の定例記者会見を開き、中国の専利、商標、地理的表示、集積回路レイアウトに関する2020年の年間統計データと、それらのデータが反映する中国知的財産権事業の発展の新たな動向と特徴を発表した。
統計データによると、2020年に中国知的財産権の主要指標は予期した目標に達し、知的財産権事業は新たな段階に入った。
専利について、中国の発明専利権付与数は53.0万件であった。2020年末現在で、中国国内(香港・マカオ・台湾を除く)の有効発明専利数は221.3万件であり、1万人あたりの発明専利保有数が15.8件に達し、中国「第十三次五カ年計画」の『綱要』での12件という目標を上回った。
PCT国際出願の受理数は7.2万件で、このうち中国出願人によるものは6.7万件であった。
中国の実用新案権付与数は237.7万件、意匠権付与数は73.2万件であった。また、専利拒絶査定不服審判の審決数は同期比28.9%増の4.8万件であり、無効審判の審決数は同期比34.1%増の0.7万件であった。
商標について、中国の商標登録数は576.1万件であった。中国出願人によるマドリード国際登録出願は7553件であった。
商標異議申立の審査終了数は同期比64.7%増の14.9万件であった。各種商標審判の審理終了数は同期比7.8%増の35.8万件であった。
地理的表示について、地理的表示製品の登録申請10件を受理し、地理的表示製品6点を承認し、地理的表示製品専用標識使用企業1052社、地理的表示商標登録 765件を認可した。2020年末現在で、認可された地理的表示製品は累計2391点、地理的表示製品専用標識使用企業は累計9479社、地理的表示商標登録件数は累計6085件である。
集積回路レイアウトについて、集積回路レイアウト登録申請は同期比72.8%増の14375件で、証書交付件数は同期比77.3%増の11727件であった。
知的財産権の保護と活用について、全国の知的財産権部門が専利権侵害係争行政裁決案件4.2万件以上を処理した。知的財産権保護の社会満足度は80.05点で、初めて80点を上回った。
中国の専利、商標の質権融資は同期比43.8%増の12039件で、質権による融資総額は同期比43.9%増の2180億人民元であった。
紹介によると、2020年の統計データは次の四つの特徴を呈している。
一、知的財産権審査の品質と効率が更に向上した。
中国知的財産権審査の品質と効率の向上が着実に進み、高価値専利出願の審査期間が14ヶ月、発明専利出願の平均審査期間が20ヶ月、商標登録出願の平均審査期間が4ヶ月に短縮された。
二、中国国内発明専利は引き続き構造の最適化が進み、品質が更に向上した。
2020年末現在で、中国国内の有効発明専利のうち、10年以上維持されたものが28.1万件で、全体の12.3%を占め、前年より1ポイント上がった。企業のイノベーション主体としての地位が一層強固になり、有効発明専利を保有する国内企業は24.6万社で、前年より3.3万社増えた。このうち10.5万社のハイテク企業が有効発明専利92.2万件を保有し、国内企業の有効発明専利保有数の6割近くを占めている。
三、中国企業の知的財産権の海外進出が一段と強化された。
中国出願人によるPCT 国際出願は同期比17.9%増、マドリッド商標国際登録出願は同期比16.1%増であった。関係統計データによると、2020年1月~11月、中国の知的財産権使用料の輸出額は同期比24.2%増の74.7億米ドルであった。上記から中国企業の知的財産権の海外への進出能力の向上が窺える。
四、「一帯一路」沿線諸国の中国市場に対する信頼感が更に高まった。
「一帯一路」沿線諸国が中国での専利の展開を拡大し、中国に提出した発明専利出願は同期比3.9%増の2.3万件で、外国出願人による出願の伸びより高かった。特にシンガポールは同期比21.0%増で、韓国は同期比4.4%増であった。