4月26日に北京で行われた第13期全人代常務委員会第17回会議で『中華人民共和国版権法（改正案）』が審議された。この改正案は4月30日に全人代の公式サイトで公表され、意見公募が行われている。 

現在の版権法は1990年9月開催の第7期全人代常務委員会第15回会議で採択され、2001年と2010年の2回にわたり改正されたものである。近年の中国の経済・社会の発展に伴い、版権保護の分野に新しい状況や課題が生じており、版権法の改正による早急な解決が待たれている。 

この度審議された改正案の注目点は次の通りである。第一に、新技術の発展に適応し、現行法の規定では新しいものをカバーし、新しい状況に適応するのが難しいという問題を解決するため、実務のニーズに基づき関連する概念の表現を訂正し、関連する制度措置を新規に追加したこと。第二に、版権侵害行為に関する罰則と責任追及を強化し、権利侵害が深刻な場合、懲罰的賠償制度が適用できること。第三に、民事訴訟法などの関連法律と結び合わせて、関連表現を訂正したことである。同時に近年中国が加入した関連国際条約の義務を履行するために、草案は貸与権の対象を明確化し、撮影作品の保護期間を延長し、作品の合理的な利用と出演者の権利に関する規定を補足し、録音製作者の放送報酬請求権を追加している。その中で、ネット上の版権保護の強化、懲罰的賠償制度の導入等による不法行為の代償の大幅引き上げ、法執行手段の充実と監督管理の強化、作品登録制度の追加、他の法律との結び合わせの強化、版権保護体系の完備化なども業界で広く注目されている。