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北京、上海、広州の知財権裁判所、3年間で3万件超の案件の裁判を終了

時間:2017-10-16

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     北京、上海、広州の知財権裁判所は、2014年11月から12月にかけた設立から2017年6月までに、合計46071件の案件を受理し、33135件の裁判を終了させた。

 「そのうち、専利、植物新品種、集積回路配置図設計、技術秘密、コンピューターソフトウェアなどに係る専門技術性の高い一審知財権民事・行政案件12935件を受理し、8247件の裁判を終了させた。」

最高裁判所の周強長官は三年間の知財権裁判所の状況について、全人大常務委員会への報告の際に、このように強調した。

 情報によると、2017年6月現在で、三つの知財権裁判所は合計2万件余りの民事案件、1万件余りの行政案件の裁判を終了させている。

 権利侵害コストが低く、権利保護コストが高いなどの知財分野の課題について、知財権裁判所は法に基づいて賠償額を高め、商標権侵害が深刻な場合、法に基づいて懲罰的な損害賠償を適用し、知財分野におけるその他の故意的な権利侵害、繰り返しの権利侵害について、市場価値に照らして、情状を見て損害賠償額を確定し、被侵害者の権利保護コストを権利侵害者に負わせることで、被侵害者に十分な賠償を与え、権利侵害者にしかるべき代償を払わせるなどの措置を取って、知財権保護を強化している。

 三つの知財権裁判所は合計61名の技術調査官を任命し、技術調査官は1144件の案件処置において専門的な技術意見を提供し、技術の事実認定の中立性、客観性と科学性を確保している。

 

 

コメント:

知財権案件の急増は、裁判官に大きなプレッシャーをかけており、また裁判官の作業効率と質を高めるため、当事者に対しても訴訟に参加するときに全面的できめ細かい、系統だった関係書類や関連資料を準備するように求めている。裁判所は知財権案件の賠償額を高めようとしているが、当面のデータによれば、証拠収集の困難さや法律規定の規制などの要因に制限され、少数の案件を除いて、知財権案件の大半は賠償額が依然として低いままである。裁判所は知財権案件に係る権利侵害賠償額を引き上げることで知財権保護の強化を狙っているが、まだ目的が達成されているとは言えない。