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最高裁が知財権保護判例を公表

時間:2016-05-12

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最高裁判所は4月21日午前に杭州で「最高裁判所2016年知財権宣伝ウィーク」の記者発表会を開き、『2015年中国裁判所知財権司法保護状況』白書を発表すると共に、2015年中国裁判所十大知財権案件と2015年中国裁判所の50の典型的知財権判例を公表した。記者発表会では、最高裁判所の孫軍工スポークスマンが司会し、最高裁判所知財権廷の宋暁明廷長が関係状況を紹介した。

2009年から毎年、最高裁判所は前年度の中国裁判所知財権司法保護十大判例と50の典型的判例を選考、公表しており、江蘇、広東、重慶に続いて、今年も地方都市で記者発表会を行った。

宋廷長によると、2015年に全国の裁判所で審理した知財権案件数はさらに増え、2015年末現在で、前年比11.73%増の130200件の知財権一審案件を新規受理した。裁判が終了した各種の知財権一審案件は同期比11.68%増の123059件である。終了した一審案件のうち民事案件は同期比7.22%増の101324件、行政案件は同期比123.57%増の10926件、知財権に係わる刑事案件は横ばいの10809件だった。地域別では北京、上海、江蘇、浙江、広東は案件受理数が引き続き高い水準にあり、新規受理した知財権民事一審案件数は約全体の70%を占めている。

2015年は専利や技術に係わる案件が急増し、先端技術に係わる難しく複雑な案件が徐々に増えた。統計によると、2015年に裁判所に新規受理された専利や技術契約に関する民事一審案件は同期比22.1%増の13087件である。十大案件の九番目の「アトルバスタチン」発明専利権無効審決取消訴訟案件と50の典型的判例の三番目に挙げられている華為技術有限公司vs.中興通信株式有限公司、杭州アリババ広告有限公司の発明専利権侵害紛争上訴案件がその例である。

ネット経済の発展とビジネスモデルの革新、特に「互联网+(インターネットプラス)行動計画」の実施に伴い、ネット上における専利権侵害や商標権侵害、コンピューターソフトウェア権利侵害などの知財権侵害案件が益々増えている。宋廷長の説明によると、2015年に不正競争民事一審案件2181件を新規に受理した。同期比53.38%増である。十大案件の三番目の「電子商取引プラットフォームが専利権侵害連帯責任を負う案件」がその例である。

記者発表会によると、有名企業ブランドの利益保護や市場シェアに係わる商標紛争案件、有名な映画・ドラマ作品に係わる著作権紛争案件なども増えて、衆目を集めている。例えば、十大案件の七番目の「瓊瑶氏vs.于正氏のテレビドラマシナリオ著作権係争案件」である。裁判所は法に基づいてこうした案件を公正に審理し、ブランドイノベーションを効果的に保護し、文化の繁栄を促進している。

宋廷長は「裁判所は知財権司法保護を引き続き強化し、知財権の市場価値を十分に実現させることを目標とし、知財権に関する合理的な仮措置を積極的に適用し、賠償額を科学的に算出し、法に基づいて民事強制措置を採用して、知財権司法救済の即時性、利便性と有効性を高めている。今回発表した50の典型的判例のうち、江蘇大象製漆公司vs.広東華潤塗料公司の不正競争紛争提審(訳注:上級裁判所による再審理 )案件がその例であり、重要証拠を偽造した江蘇大象製漆公司とその法定代表者に対して裁判所はそれぞれ100万元と10万元の罰金を科し、良好な訴訟秩序を守り、司法保護の権威を樹立した」と述べた。

最高裁判所が8年連続で典型的判例を集中的に公表してきたことは、裁判所が知財権司法保護を強化し、科学技術の革新、文化の繁栄、経済の発展を推進してきたことを示すものであり、また知財権者の権利保護活動と各級裁判所の裁判業務を力強く指導し、知財権の法治理念を具体的に広めるものである。