4月22日に発表された2023年の中国裁判所十大知的財産権案件と50の典型的知的財産権判例は、専利、商標、著作権、植物新品種、不正競争禁止と独占禁止などの知的財産権紛争をカバーし、コア技術のイノベーション、国内外の有名ブランド、デジタルエコノミー、種子産業など新時代の多くの重点分野と産業に係り、以下の法的保護の特徴を反映している。
第一、裁判所は高品質の発展というテーマを把握し、科学技術進歩の成果を厳格に保護し、新たな質の生産力の発展をサポートする。「丹玉405号」トウモロコシ植物新品種権侵害案件においては、ブランド詐欺、度重なる権利侵害、明らかに意図的な権利侵害を繰り返した企業に対して、法に基づいて懲罰的賠償制度を適用し、農業研究者の信頼を効果的に高めた。「レンチナン」技術秘密侵害案件では高品質の伝統的な薬用材料に係る技術秘密の認定と技術秘密の不法利用にともなう賠償問題が検討されており、伝統的な漢方薬の「守正創新(正しい道を守りながら革新を図る)」に積極的意義をもたらした。
第二、社会の関心に積極的に対応し、人々の合法的な権益を着実に保護する。「青少年モード」不正競争紛争案件において、青少年保護に対する社会の懸念に応え、ネットワークサービスプロバイダが未成年者を保護するためのネットワーク上の義務と社会的責任を自発的に履行するよう導いた。「基本的な葬儀サービス」取引拒否紛争案件において、葬儀業界の公営企業の支配的な市場地位濫用を法に基づいて抑制し、大衆と中小企業の利益を着実に保護した。
第三、新技術、新業態、新分野の裁判規則を模索し、新経済と新動力の発展をサポートする。今回公布された案件には、ナビゲーション電子地図情報に関する著作権保護、データ不法抽出及び転売の抑止などの新しい問題があり、裁判所は裁判規則を積極的に検討し、権益保護の境界線を明確にし、デジタルエコノミーの発展を保障、サポートした。
第四、保護の平等を強化し、市場化・法治化・国際化したビジネス環境を積極的に構築する。「シーメンス」商標権侵害及び不正競争案件、「ミシュラン」商標権侵害案件、「ラフィット」商標権侵害及び不正競争案件において、裁判所は国内外当事者の合法的な権益を平等に保護し、ブランド詐称、フリーライドなどを厳しく取り締まり、法に基づいて外国権利者の合法的権益を保護し、知的財産権保護に対する外国投資家の懸念に適時に応えた。
第五、連携と協力を強化し、知的財産権全体の連鎖的な保護を強化し、知的財産権保護の全面化を推進する。「顔認証」特許権無効裁判において、特許無効裁判における請求項の補正範囲、補正の方法、補正の目的に関する要求を明確にし、行政法執行の規準と司法裁判の規準の一致化を促した。「長高電新」商標の悪意のある訴訟に対する司法処罰案件において、裁判所は知的財産権濫用行為を処罰したほか、当事者が知的財産権を濫用して悪意のある訴訟を提起した犯行の手掛かりを検察庁に移送し、検察庁が法に基づいて監督の職能を履行し、検察側の提案を行うよう積極的に促した。
(中国最高裁判所から翻訳)