中国最高裁判所は2026年4月20日、『最高裁判所の知的財産権侵害民事案件の審理における懲罰的賠償の適用に関する解釈』(法釈〔2026〕7号)を公布した。同『解釈』は2026年5月1日より施行される。
同解釈は、知的財産権裁判の実務における懲罰的賠償の適用に関する重点や難題に対して、法律の適用基準をさらに細分化し、懲罰的賠償の司法適用の運用性を高め、裁判基準を統一し、当事者に明確な訴訟ガイドラインを提供し、市場に明確な見通しを提示して、知的財産権懲罰的賠償制度の実効性を確保することを目的としている。
第一に、「故意」と「深刻な情状」の認定基準をさらに詳細化している。「原告と和解が成立し侵害行為の停止に合意した後、同一または類似の侵害行為を再び行った場合」などを、被告の知的財産権侵害の故意を認定できる情状として追加し、「知的財産権侵害を業とする」ことの意味をさらに明確にし、知的財産権に重大な損害をもたらす行為の認定規則を法に従い詳細化している。
第二に、基準額の算定方法をさらに明確にしている。被告の違法所得または侵害による収益を懲罰的賠償の算定基準とする場合、営業利益を参照して確定することができる。被告が「知的財産権侵害を業とする」場合、販売利益を参照して計算することができる。利益率が確定できない場合、統計部門または業界団体が公表した同時期・同業界の平均利益率または権利者の利益率を参照して計算することができる。法定賠償額は懲罰的賠償の算定基準とはならないことを明確にしている。これらの規定は、実務における「基準額の確定の難しさ」を解消するのに役立つ。
第三に、倍数の確定方法を改善している。過失・違反と処罰の均衡原則(「过罚相当原则」)に基づき、同一の侵害行為により既に罰金または過料を科され刑罰が完全に執行されている場合、裁判所は懲罰的賠償の倍数を確定する際にこれを考慮すべきであり、当事者の請求を前提としないことを明確にしている。
(出所 中国最高裁の公式サイト)