中国広東省広州知的財産権裁判所は2月28日、『科学技術イノベーションの法的保障を強化し　良質な法的保護で高品質の発展をサポートするための若干措置』（以下、『若干措置』という）を公布し、また2022年の技術類案件の裁判状況について紹介した。

広州知的財産権裁判所の黎熾森副所長の紹介によると、『若干措置』は12条からなり、裁判の品質と効率の向上、地域に跨る配置の改善、イノベーションの強化と保障、権力濫用への対処、共同保護の強化など五つの方面から、知的財産権に対する法的保護の職能と実務を考慮し、具体的な措置を提出し、グレーターベイエリア（香港・マカオ・広東省珠江デルタの9の都市を統合したエリア）の発展を積極的にサポートする。

『若干措置』は、裁判体制の刷新に力を入れ、「長周期」の問題を効果的に解決し、長期未決案件に対して専門的な裁判官会議に基づく「共同審査」制度を模索し、裁判所や法廷の幹部による重大案件監督制度を強化、実行し、重大で難しく新しいタイプの案件の処理における裁判専門家の役割を十分に発揮させると提示している。

『若干措置』は、知的財産権の市場価値を完全に反映させ、「高コスト、低賠償額」問題を効果的に解決し、知的財産権の市場価値を反映できる賠償額算出ルールを模索し、知的財産権を尊重し、イノベーションを奨励する司法上の指導理念を提唱すると提示している。

また、『若干措置』は、悪意の商標出願と異常な特許出願に対する迅速な共同処置メカニズムの構築を模索し、知的財産権分野の包括的な管理を強化すると提示している。

広州知的財産権裁判所は2022年に各種の専利紛争案件6450件の裁判を終了した。同期比15.7%増加し、このうち特許にかかわる案件は同期比15.2%増の416件であった。その他、国内外を問わず、市場主体の合法的権利を平等に保護し、法治化されたビジネス環境を整え、外国や香港・マカオ・台湾の出願人の知的財産権紛争案件305件の裁判を終了し、このうち技術類の案件が半数以上を占め、国際知的財産権紛争解決の「最適地」建設が高い効果を発揮した。

（中国保護知識産権網から翻訳）