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広州知的財産権裁判所 2021年の新規受理・裁判終了案件数が過去最多

時間:2022-05-31

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4月24日、第22回世界知的財産の日を迎えるに当たり、広州知的財産権裁判所が『広州知的財産権裁判所の知的財産権司法保護状況(2021年)』白書と十大典型的判例を発表した。

白書によると、2021年に広州知的財産権裁判所では裁判の質、効率が著しく向上し、新規に受理した案件は1万5244件、終了した案件は1万4297件、裁判官一人当たりの案件終了数は530件で、それぞれ前年より10.95%、17.51%、4.5%増加し、いずれも記録を更新した。一審で判決が確定した案件の割合は90.13%で、前年より7.09ポイント増加し、一審判決案件のうち、破棄自判・差し戻し案件の割合は2.88%で、前年より0.89ポイント減少した。

近年、意匠権侵害紛争が頻発している。これに対し、広州知的財産権裁判所は意匠の一審案件迅速な裁判手引きを制定し、全要素の裁判インテリジェント補助システムを稼働させ、1年間に一審、二審の迅速裁判案件それぞれ1441件と5137件を処理し、案件終了までの平均期間は僅か98日と61日であった。また、訴訟の前に前年比97.18%増となる1988件の調停に成功し、調停成功率は36.15%で、大量の知的財産権紛争を迅速に解決した。

先端分野の知的財産権保護の面で、同裁判所は情報通信、人工知能、バイオ医薬品、ハイエンド機器の製造、新素材・新エネルギー、植物新品種などの先端分野や先端技術の紛争の裁判を強化し、懲罰的賠償を積極的に適用し、先行判決制度、「判決+差し止め命令」などの革新的な形を模索した。科学技術革新成果の保護の面では、権利保護の範囲を公正かつ合理的に確定し、イノベーション創造空間を法により保障し、科学技術のイノベーションの発展を促進した。商標保護と公平な競争秩序の保護の面では、グローバル・カバナンスに積極的に参与し、営業秘密侵害行為を厳格に処罰した。文化知的財産権の保護の面では、著作権者の合法的な権益を法により保護し、社会主義文化の繁栄を促進した。

また同時に、同裁判所は全面的な知的財産権保護体制の構築に積極的に参与し、国家知識産権局とともに専利無効審判の優先審査メカニズムを構築し、仏山や東莞などの巡回裁判法廷に4カ所の裁判官オフィスを設置し、広東知的財産権紛争調停センターの建設を計画し、知的財産権の多様な紛争解決メカニズムを完備して、知的財産権の全面的な保護を強化した。

紹介によると、今回発表された十大典型的判例は海外の知的財産権保護、営業秘密保護、新興産業へのサポート、懲罰的賠償、権利濫用の規制など多くの分野をカバーし、専利、コンピューターソフトウェア著作権、技術秘密などの種類の案件を含んでいる。

(中国知的財産保護サイトから翻訳)