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『視聴覚的実演に関する北京条約』が近く発効

時間:2020-03-30

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世界知的所有権機関(WIPO)の公式ウェブサイトの情報によると、北京時間1月28日、「視聴覚的実演に関する北京条約」(以下、『北京条約』という)の30番目の締約国としてインドネシアが同条約を批准した。関連規定によると、同条約は3ヶ月後の2020年4月28日に30の締約国にて発効する。『北京条約』の目的は俳優その他の視聴覚的実演家の収入を根本的に改善させることにある。この条約はWIPO加盟国が2012年に中国政府主催の国際会議で採択されたため、『北京条約』と名付けられた。発効後、中華人民共和国史上初の中国都市名が付いた国際条約となる。 

これについて、WIPOのフランシス・ガリ事務局長は、「『北京条約』は作品に関する視聴覚的実演家の権利を強化するものである。これは収入の増加に転じることができ、人々に喜びをもたらす視聴産業の持続的な発展を促進する」と述べている。 

2012年6月20日から26日にかけて、WIPOは北京で視聴覚的実演の保護に関する国際会議を開催し、『北京条約』を採択した。同条約は主に「視聴覚的収録媒体」に収録された実演に対して実演家に幅広い権利を規定し、視聴覚的実演分野における全面的な国際著作権保護制度の空白を埋めるものである。 

『北京条約』に従って、同条約は30の締約国が批准書又は加盟書を提出してから3か月後に発効する。中国は2014年4月に第12期全国人民代表大会第8回会議で同条約を批准し、シリア·アラブ共和国、ボツワナ共和国に次いで同条約を批准した三番目の国となった。 

WIPOはその公式ウェブサイトに次のように記している。当該条約に加盟した国は自国の法律制度により必要な措置を講じて条約の適用を確保し、特に効果的な行動を取って、条約に定められた権利に対する如何なる侵害行為をも阻止できるように、その法律に基づいて執行プロセスの提供を確保しなければならない。ここに言う行動には権利侵害を防止・抑制するための早期救済措置が含まれる。 

『北京条約』は1961年に締結した『実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関するローマ条約』に定められた歌手、音楽家、舞踊家及び俳優に対する保護について、デジタル時代にふさわしい更新を行っている。これまでに、『実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約』(WPPT)が実演家(視聴覚的実演家ではない)とレコード製作者に対する保護を更新したが、『北京条約』はデジタル時代にふさわしい更新を行い、これを更に補完している。