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「AVENE」が商標異議申立不服審判審決取消行政訴訟で登録取消

時間:2014-04-21

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   2006年12月、フランスのピエール・ファーブル スキンケアー化粧品公司(以下、「ピエール・ファーブル社」という)は広東施露蘭化粧品有限公司の第3類の「歯磨き粉、清潔製剤」商品における「AVENE」商標(以下、「被異議商標」という)に対し、異議申立を提出した。

   商標局の異議決定では、被異議商標はピエール・ファーブル社の引用商標「Avene EAU THERMALE」と比べ、同一または類似商品における類似商標になっていないとして、被異議商標の登録を認めた。

   ピエール・ファーブル社は商標評審委員会に不服審判請求を提出したが、同じ理由で却下された。

   2012年2月、ピエール・ファーブル社は北京市第一中級裁判所に行政訴訟を提出して、商標評審委員会の審決を取消し、被異議商標の登録を取消すことを求めた。

   2013年2月、北京市第一中級裁判所は判決を下し、商標評審委員会の審決を支持した。

   ピエール・ファーブル社は北京市高等裁判所に上訴し、商標評審委員会の審決と一審判決を取消し、被異議商標の登録を取消すことを求めた。

   2013年10月、北京市高等裁判所は商標評審委員会の審決と一審判決を取消し、本件を商標評審委員会に差し戻すと判決した。

   判決において北京市高等裁判所は次のように述べた。

   商品または役務が類似するか否かを判断する目的は、商標の保護範囲を確定することである。よって、商品または役務の類否判断には、混同になるか否かを分析して、ケース・バイ・ケースで考えなければならない。本件については、被異議商標で指定された歯磨き粉と引用商標の指定商品である石鹸、シャンプーを比べると、両者ともに清潔機能を持つ洗面用具であり、消費者に一般に利用される日常生活用品である。両者は機能、用途、生産者、販売ルート、消費者対象などの面で大きな関連性を持つ。一方、被異議商標と引用商標とは、顕著な識別部分が類似しており、両者を歯磨き粉と石鹸などの商品に夫々使用すると、消費者に混同・誤認される虞がある。原審判決と第23471号審決にはこれについて誤って認定している。ピエール・ファーブル社の本上訴理由を支持する。

   中国国際貿易促進委員会特許商標事務所商標代理人鐘文雋、胡鋼が一審原告、及び二審上訴人の訴訟代理人である。