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6億4000万元超の賠償金 最高裁が有名自動車メーカーの新エネルギー自動車車台に係る技術秘密権侵害紛争の裁判を終了

時間:2024-08-02

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先頃、中国最高裁判所の知的財産権法廷が、中国有名自動車メーカー2社間で生じた従業員の大量転職に起因した新エネルギー車車台に係る技術秘密権侵害に関する上訴審を終了した。2倍の懲罰的賠償が適用され、権利侵害者に対して、経済的損失と権利保護に用いられた合理的支出の合計6億4000万元超の賠償を命じる判決が下された。賠償額は中国知的財産権侵害賠償額の記録を更新した。

最高裁の紹介によると、浙江吉某集団有限公司傘下の成都高某自動車工業有限公司では40人近くの上級管理者と技術者が前後して退職し、威某自動車科技集団有限公司とその関連公司に入社した。このうち30人は2016年に退職すると即入社した。

2018年に吉某公司は、威某公司などの公司が上記の一部の退職者を発明者又は共同発明者とし、元の公司で接触し把握した新エネルギー自動車車台に係る応用技術、車台用部品の図面12セットと数理モデルに記載された技術情報について12件の実用新案出願を提出したことを見つけた。さらに、威某公司などの公司は技術蓄積がなく、合法的な技術由来が証明できないにもかかわらず、短期間に特定シリーズの電気自動車をリリースしており、吉某集団、浙江吉某自動車研究院有限公司の関連技術秘密を侵害した疑いがあることがわかった。
吉某公司は裁判所に訴訟を提起し、威某公司などに対し、権利侵害の停止、その経済的損失と権利保護に用いられた合理的な支出の合計21億元の賠償を請求した。一審裁判所の判決の後、すべての当事者がこれを不服として、最高裁に上訴した。

最高裁は審理の上、本件は不当な手段による組織的かつ計画的で大規模な新エネルギー自動車の技術者と技術資源の窃盗に起因する技術秘密侵害案件であると判断し、威某など4公司に対して技術秘密の開示、使用、他人の使用の許諾を停止するよう命じた上で、二審判決で侵害停止の具体的な方式、内容、範囲を詳細化、明確化した。

二審判決では同時に以下のことも明確になった。威某公司らは、本件に係る技術秘密の使用停止の義務を履行しなかった場合、一日当たり100万元の履行遅延金を支払わなければならない。威某公司らは、12件の実用新案を無断で処分した場合、実用新案権1件につき100万元を一括で支払わなければならない。威某公司らは、本件判決文に規定された期限までに、本件に係る技術秘密の関連媒体の廃棄又は吉某公司への引渡し、告知と内部通達の実施、関係者・公司との技術秘密保持・非侵害保証に関する承諾書の締結のいずれか一つの義務を履行しなかった場合、一日当たり10万元の履行遅延金を支払わなければならない。

6月26日、威某自動車科技集団有限公司とその関連公司は判決に決められた義務を積極的に履行し、裁判所の判決により浙江吉某集団有限公司らの関連技術秘密の侵害を停止する旨の告知の掲載を「人民法院報」に申請した。

(新華社から翻訳)