中国司法部は11月19日に第13期全人代第4回会議の「知的財産権保護の人材育成の強化に関する提案」の回答文として、『第13期全人代第4回会議第2813号提案に対する司法部の回答』を発表した。
知的財産権保護の強化は財産権保護制度を完備化させるための最も重要なことであり、中国の経済競争力を向上させる最大のインセンティブでもある。近年、司法部は知的財産権保護を非常に重要視し、知的財産権分野の行政立法、行政法執行及び法律サービスを全面的に強化し、知的財産権保護システムの健全化と保護の強化を推進している。特に知的財産権保護において弁護士などの法律サービスの専門家が強みを発揮することを重要視し、弁護士事務所、弁護士が法により知的財産権業務に従事し、企業の法律顧問や弁護士が知的財産権保護を重要な仕事として扱い、知的財産権の法的リスクヘッジ、紛争解決、権益保護などを全うし、知的財産権保護に積極的に貢献するよう指導している。
現在は中国の知的財産権保護の専門家、特に質の高い弁護士が不足しており、新時期の知的財産権保護のニーズに対応できていない。
今後、司法部は知的財産権保護の新しい状況に適応するため、以下の方面から知的財産権の法律サービス業務を更に強化する。
一、知的財産権を専門とする弁護士チームを育成、拡大し、より多くの弁護士、特に優秀な若手弁護士が知的財産権業務に従事するよう指導し、知的財産権分野専門の弁護士事務所を開設することを奨励する。
二、知的財産権分野の弁護士の専門性評価の試験的作業を深め、各級弁護士協会の知的財産権専門委員会の設置を強化し、豊富で多彩な知的財産権業務研修と交流・研究討論活動を展開して、知的財産権弁護士チームの専門性向上を促進する。
三、知的財産権業務に携わる弁護士が特許弁理士の資格や従業登録証を取得するよう奨励し、法学部、理学部、工学部など複数学科で学んだ経験を持つ複合型人材をより多く育成し、弁護士の知的財産権業務処理レベルを向上させる。
四、知的財産権分野の法律サービスにかかわる典型案件の選考・発表メカニズムを構築し、知的財産権分野で実績を上げた弁護士や弁護士事務所を国の関係規定に従って表彰し、宣伝活動の活発化を通じて知的財産権弁護士の職業プライドを向上させる。
五、弁護士に対して、知的財産権にかかわる法律サービス、特に知的財産権案件の処理に従事する上での指導、監督を強化し、弁護士が法や規範に従って誠実に業務を行い、社会的責任を真摯に履行し、国民及び企業の合法的権益を保護し、知的財産権強国の建設に貢献するよう指導する。