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中国国家知識産権局が『専利の開放ライセンスロイヤリティ算定ガイドライン』を公表

時間:2022-11-29

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専利の開放ライセンス制度の円滑な実施と高効率な運用を促進し、専利権者が科学的、公正かつ合理的に専利の開放ライセンスロイヤリティを算定するよう指導するため、中国国家知識産権局は『専利の開放ライセンスロイヤリティ算定ガイドライン(試行)』(以下、『ガイドライン』という)を制定し、先ごろ公表した。

『中国専利法』の四回目の改正において専利の開放ライセンス制度が導入され、専利権者は中国国務院専利行政部門に専利の開放ライセンスの希望を表明する場合、ライセンスロイヤリティの支払方法と基準を明確にしなければならないと規定された。ライセンスロイヤリティの算定は専利の開放ライセンスの難題で、ライセンスできるかどうかの鍵となる要素の一つであり、当事者はより多くのプロフェッショナルなサポートを必要としている。

『ガイドライン』は専利実施権ライセンスの一般原則と専利価値評価の常用方法を活用し、簡潔で分かりやすく操作性の高い算定方法と操作手順を提供し、かつ例示と統計データを添付して、特許権者が制度を正確に理解し、開放ライセンスの「一対多」の特性や小額、包摂性、利便性の特徴を的確に把握し、具体的な情状と各々の実情を結びつけて参照、使用するよう指導して、効果的な市場価格の発見メカニズムの構築を促進するものである。今後、試行状況によって『ガイドライン』を適時に改正する。

(中国知識産権情報サイトから翻訳)

なお、中国での専利の開放ライセンス制度とは、下記のものを指すと思われる。

「専利権者は国家知識産権局に自発的に開放ライセンスを声明し、ライセンスロイヤリティの支払い方式及び支払い基準を明確にし、国家知識産権局により公告される。専利の開放ライセンスの期間中に、如何なる団体と個人が開放ライセンスの対象専利を実施する意向がある場合、専利権者に書面で通知し、公告されたライセンスロイヤリティの支払い方式及び支払い基準に従ってライセンスロイヤリティを支払った後、専利実施の許諾を得られる。」(2021年版の専利法第五十条、第五十一条をご参照ください)